こんにちは!元中学校教員のおきぺんです。技術科の授業、皆さん頑張っていますか?
今回は、皆さんが加工でよく使う「木材」について、「木質材料」というちょっぴり難しいけれど、とっても大切なテーマをお話ししますね。
前回までの授業では、木材の「性質」や「強さ」、それに「木が反ってしまう」なんてお話もしましたよね。天然の木材は、加工しやすくて使い勝手がいいっていう素敵なメリットがある一方で、実は「強度が弱かったり、反ってしまったりする」という困ったデメリットもあるんです。
でも、安心してください!そのデメリットをしっかりカバーするために、特別な「木質材料」というものが開発されたんですよ。今回は、この木質材料がどんなもので、どんな種類があるのか、一緒に楽しく学んでいきましょう!
木質材料ってなんだろう?
まず、「木質材料」って何だと思いますか?簡単に言うと、普通の木材や板材とはちょっと違う、「木の特性を持たせた加工された材料」のことなんです。
通常の木材の「反りやすい」「強度が弱い」といった部分を補うために、木質材料は主に次のような目的で作られています。
- 大きな板材を作りたいとき
- もっと強い建材を作りたいとき
- 変形しにくくしたいとき(変形しやすくなるのを防ぐ)
例えば、大きな家具を作るときや、お家の壁などにも使われたりしますよ。すごいですよね!
木質材料の4つの仲間たち!
木質材料には、大きく分けて4つの種類があります。どれも私たちの身近なところで大活躍しているんですよ!一緒に見ていきましょう。
1.合板(ごうばん)
最初の仲間は「合板(ごうばん)」です。「板を合わせる」と書きますね。これは、「単板(たんばん)」と呼ばれる薄〜い木の板を何枚も重ねて作られています。
「単板」ってどんなものかというと、まるで大根の桂むきみたいに、丸太を薄ーくスライスして作るんですよ。ホームセンターで見たことがある人もいるかもしれませんが、とっても薄くて大きな板材ですよね。
この薄い単板を、繊維の方向を90度ずつずらしながら、奇数枚(3枚、5枚、7枚など)貼り合わせていくんです。下の図(動画で紹介されていたイメージですね!)のように、繊維の向きを互い違いにするのがポイント!
これは、前回学んだ木材の「強度」に関わってくるんです。こうすることで、どこから力を加えても均等に強度が保たれるように工夫されているんですよ。
【合板の使い道】
卓球のラケット(5枚合板、7枚合板なんて言われますね!)、家具、そしてお家の壁の材料など、本当に色々なところで使われています。
2.集成材(しゅうせいざい)
次にご紹介するのは「集成材(しゅうせいざい)」です。これも身近な場所でよく見かけるんですよ!
集成材は、短い板材や小さな板材を、繊維の方向を揃えて接着して、一枚の大きな板にしたものなんです。ちょうど、色々な木片をパズルのように組み合わせて、一つの大きな板を作るようなイメージですね。
実は、板材の中には「節(ふし)」と呼ばれる、木の枝の根元の部分があるんです。ここは加工しにくい部分なのですが、集成材ではそういった部分をあらかじめ取り除いてから接着するので、どこを切っても加工しやすいという特徴があります。
【集成材の使い道】
皆さんの学習机、実はこの集成材が使われていることが多いんですよ!他にも、学校の技術科の授業で使う木材や、ホームセンターで売っている木材も、集成材が多いので、ぜひ確認してみてくださいね。
3.パーティクルボード
3つ目は、ちょっとかっこいい名前の「パーティクルボード」です。
これは、木材の「廃材」や「枝葉」など、細かく切った木のかけら(小片)を接着剤で固めて、一枚の板にしたものです。ちょうど、木くずを集めて大きなクッキーを作るような感じですね!
断面を見てみると(教科書に載っていることが多いですよ!)、木のかけらがゴロゴロと残っているような見た目になっています。
【パーティクルボードの使い道】
主に「日曜大工(DIY)家具」の板材などに使われることが多いですよ。
4.ファイバーボード
そして最後の仲間は「ファイバーボード」です。
パーティクルボードと名前が似ていますが、こちらは木材を「もっともっと細かく」繊維状にしてから接着剤で固めて作った板材です。
断面を見ると、パーティクルボードとは違い、とっても滑らかな仕上がりになっているのが特徴です。より均一な材料というイメージですね。
【ファイバーボードの使い道】
こちらも様々な製品に使われています。パーティクルボードと似たような家具の材料から、もっと細かい加工が必要な部品などにも使われることがありますよ。
まとめ
今回は、木材の「反ってしまう」「強度が弱い」といったデメリットを補うために開発された「木質材料」について学びましたね!
特に、「合板」「集成材」「パーティクルボード」「ファイバーボード」の4種類の木質材料は、それぞれ作り方や特徴が違っていて、私たちの身の回りの色々なところで大活躍していることがわかりました。
皆さんがこれから加工で使う板材は、実は集成材が多いかもしれません。「この板、どうやって作られているのかな?」なんて考えながら技術の勉強を進めると、もっと面白くなりますよ!
木材の知識はこれでバッチリ!次回の授業も楽しみにしてくださいね。
君ならできます。頑張って!
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