【中学技術】自転車で学ぶ!速度伝達比のヒミツとギアチェンジの超重要ポイント

C エネルギー変換の技術

みなさん、こんにちは!元中学校技術科教員のおきぺんです。

普段、自転車に乗っているときに「あれ?このギアにしたら進みやすいな」「このギアだと坂道も楽に登れる!」なんて感じたことはありませんか? 実はこれ、速度伝達比という機械の仕組みが関係しているんです! 中学校の技術科で習う、歯車や機械の動きの仕組みを、身近な自転車を例にしながら、しっかり学んでいきましょう! これを知ると、普段使っている機械がもっと面白く見えてくるはずですよ!

速度伝達比ってなんだろう?

まず、「速度伝達比」という言葉、ちょっと難しそうに聞こえるかもしれませんね。 でも大丈夫です!これは簡単に言うと、「回転速度の比率」のことなんです。 ある歯車から別の歯車に力が伝わるとき、そのスピードがどれくらい変わるかを表す数値だと考えてくださいね。

回転速度と回転力の「トレードオフ」

機械の世界には、とっても大事な考え方があります。それは「トレードオフ」です。 速度伝達比でも、これが大事なポイントになってきます。

  • 回転速度:歯車がどれくらいの速さで回るか、ですね。
  • 回転力(トルク):歯車を回す力がどれくらいあるか、のことです。

この2つは、お互いに反比例の関係にあるんです。 つまり、

  • 回転速度を速くしたいと思ったら、その分、回転力は小さくなってしまいます。
  • 回転力を大きくしたいと思ったら、その分、回転速度は遅くなってしまいます。

まさしく、どちらかを選ぶと、もう一方が犠牲になる「トレードオフ」の関係なんですね! 自転車のギアチェンジは、このトレードオフを上手に利用しているんですよ。

駆動軸と被動軸って何?

速度伝達比を考える上で、「駆動軸(くどうじく)」「被動軸(ひどうじく)」という言葉が出てきます。

  • 駆動軸:力を伝える側の軸のことです。 自転車で言うと、みなさんがペダルを漕ぐ、前の歯車(ペダル側)がこれにあたります。
  • 被動軸:力を伝えられる側の軸のことです。 自転車で言うと、後ろの車輪についているギア(後輪側)がこれにあたります。

速度伝達比は、この「駆動軸から被動軸へ、どれくらいの速度を伝えているか」を計算するんですよ。

自転車のギアで見てみよう!

身近な自転車のギアを例に、速度伝達比を具体的に見ていきましょう。 ママチャリをイメージしてくださいね!

ギア1とギア6、どう違う?

自転車の後輪には、いくつかのギアがついていますよね。 例えば、「ギア1」と「ギア6」という2つの極端な例で考えてみましょう。

ギア1 ギア6
後輪の歯車の数 一般的に多い 一般的に少ない(小さい)
ペダルの重さ めちゃくちゃ軽い めちゃくちゃ重い
1回漕いだ時の進み具合 あまり進まない めちゃくちゃ進む
回転速度(後輪) 遅い 速い
回転力(トルク) 大きい(坂道に強い!) 小さい(坂道に弱い)
得意な場面 坂道をゆっくり、力強く登る時 平らな道を速く走る時

どうでしょうか?イメージできましたか? ギア1は、ペダルが軽いからグイグイ坂道を登れるけど、たくさん漕がないと前に進まないですよね。 逆にギア6は、ペダルが重いけど、ちょっと漕ぐだけでビューンと進みます。 まさに、回転速度と回転力のトレードオフがここにあるんです!

速度伝達比を計算してみよう!

では、実際に速度伝達比を計算してみましょう!
計算式は、とてもシンプルです。

速度伝達比 = 被動軸(後輪側)の歯数 ÷ 駆動軸(ペダル側)の歯数

今回は、計算しやすいように、例として次のような歯数を考えますね。

  • ペダル側の駆動軸の歯数:25
  • 後輪側の被動軸の歯数(ギア1の時):20
  • 後輪側の被動軸の歯数(ギア6の時):5

ギア1の場合の速度伝達比

  • ペダル側(駆動軸)の歯数:25
  • 後輪側(被動軸)の歯数:20
  • 速度伝達比 = 20 ÷ 25 = 0.8

ギア6の場合の速度伝達比

  • ペダル側(駆動軸)の歯数:25
  • 後輪側(被動軸)の歯数:5
  • 速度伝達比 = 5 ÷ 25 = 0.2

この計算結果を見てどう思いますか? ギア1(0.8)の方が、ギア6(0.2)よりも数値が大きいですよね。

「1より大きい」速度伝達比だとどうなる?

今回の例では、速度伝達比はどちらも1を下回る数値になりました。 これは、駆動軸(ペダル側)の歯車の数の方が、被動軸(後輪側)よりも多いからなんですね。
でも、もし仮に、被動軸(後輪側)の波数が、駆動軸(ペダル側)よりもすごく大きかったらどうなるでしょう?
例えば、被動軸が50、駆動軸が25だとすると、速度伝達比は50 ÷ 25 = 2.0 となりますよね。
この場合、イメージとしては「ギア1の究極系」のような状態になります!

* めちゃくちゃ漕いでも、なかなか前に進まない!(回転速度がものすごく遅い)
* でも、どんな急な坂道でも、力強く進むことができる!(回転力がものすごく大きい)

そんな自転車があったら、坂道は楽勝だけど、平らな道では全然スピードが出なくて大変そうですね!

まとめ

今回は、速度伝達比について、自転車のギアを例に学びました!

  • 速度伝達比は、回転速度の比率を表すもの。
  • 回転速度と回転力(トルク)はトレードオフの関係にある。
  • ギア1は、回転力が大きく、速度が遅い(坂道向き)。
  • ギア6は、回転速度が速く、回転力が小さい(スピード向き)。
  • 速度伝達比の計算式と、その数値が何を表しているのか。

私たちの身の回りには、今回学んだ速度伝達比の仕組みを使った機械がたくさんあります。 ぜひ、色々な機械を見て、「これはどんな速度伝達比になっているのかな?」と考えてみてくださいね!

君ならできます。頑張って!

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