こんにちは!元中学校の技術科教員で、現在はYouTubeチャンネル「ギリギリ技術」を運営している「おきぺん」です。高校生のみなさん、情報Ⅰの授業は順調ですか?「法律や横文字ばかりで難しい…」と感じている人もいるかもしれませんね。でも大丈夫!今回は、みなさんが情報を「使う側」だけでなく「作る側」になったときに役立つ、とっても大切で面白いルールについてお話しします。難しく考えず、一緒に楽しく学んでいきましょう!
今日学ぶことのゴールを確認しよう
さて、今回扱っていくのは、情報Ⅰの第1章「情報社会と私たち」の中の、第2節「情報社会の法規と権利」から「情報の利用と公開」というテーマです。
前回までは、情報モラルや法律周りのお話、つまり「ルールを守らなければならないよ」という情報を利用する側(使う側)の視点について学んできましたね。
しかし、今日の授業は少し視点を変えて、その延長線上にある「情報を作る側」の視点に立ってみましょう。「作る側の人たちが、使う側の人たちにとって使いやすいように、ちゃんとルールを発信していきましょう」という内容になります。
今日のゴールはズバリ、「著作物利用のOK・NGラインを知って、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCマーク)の意味を理解すること」です!アルファベットや横文字がたくさん出てきますが、一つひとつの意味をしっかりと理解しながら進めていけば全く怖くありませんよ。今日も一緒に頑張っていきましょう!
私たちは情報を「使う」だけでなく「作る」存在でもある
「創作者」って誰のこと?
著作権や著作物という言葉、みなさんはしっかり説明できますか?「誰かが作ったすごい作品」というイメージがあるかもしれませんが、実はみなさん自身も立派な「創作者」なのです。
創作者とは、新しい情報を創出して、他者が活用できるように公開する存在のことです。難しく聞こえるかもしれませんが、簡単に言えば「作り手側」のことですね。
例えば、みなさんが学校の図工や技術、家庭科の授業で何か作品を作ったとしますよね。実は、その物を作った瞬間から、それは「著作物」となり、みなさんには「著作権」が発生しているのです!絵を描いたり、作文を書いたり、プログラミングで簡単なゲームを作ったりしたその瞬間から、あなたは立派な創作者(著作者)になるということを、まずはしっかりと押さえておきましょう。
著作物の利用ルール:学校生活での具体例
自分が創作者になるということは、同時に他人が作った著作物を扱う場面もたくさんあるということです。ここで、学校生活でよくある場面を例に、著作物の利用ルールについて復習してみましょう。
文化祭の合唱コンクール、楽譜の無断コピーはOK?NG?
学校の文化祭や合唱コンクールで、クラスのみんなで合唱曲を歌うことになりました。その時、練習のために歌詞や音符が載っている「楽譜」を配ると思います。この楽譜は当然「著作物」に当てはまるわけですが、これを無断でコピーしてクラスのみんなに配っても良いのでしょうか?
みなさん、ちょっと考えてみてください。
正解は……「条件付きでOK(例外として認められる)」です!
基本的には、他人の著作物をコピーする場合は著作権者に申請をして許諾を得る必要があります。しかし、文化祭や授業の過程における複製に関しては、教育的な観点から「例外」として著作権者の許諾は不要とされています。
つまり、クラスの中や学校の中など、お金を稼がない(営利目的ではない)範囲であれば、無断でコピーして使っても大丈夫なのです。
ただし、ここで注意が必要です!もし、その合唱コンクールでお客さんからお金(入場料)を取ったり、合唱の様子をインターネットで外部に配信して広告収入を得たりする場合は、話が全く変わってきます。お金が絡む場合は、例外には当てはまらず、必ず著作権者の許諾が必要になります。この「学校の中だけで完結するか」「外に向けてお金を稼ぐか」という棲み分けのラインを、しっかりと覚えておいてくださいね。
パブリックドメインとは?
もう一つ、音楽の授業などでよく耳にする昔のクラシック音楽についても考えてみましょう。学校の授業や運動会などで、クラシック音楽がよく流れていますよね。あれは著作権の申請をしているのでしょうか?
ここで登場する重要なキーワードが「パブリックドメイン」です。
パブリックドメインとは、著作権の保護期間が過ぎたり、著作者によって権利が放棄されたりして、誰でも自由に利用できるようになった状態のことを指します。昔のクラシック音楽などは、著作者の死後一定の期間が経過しており、著作権の保護期間が終了しているため、パブリックドメインとして学校でも自由に使えるというわけです。
運動会のBGMなどでよく使われるのも、著作権を気にせずに自由に使えるからなんですね。ただし、最近のJ-POPなどの曲は当然著作権で保護されているため、先ほどの「教育の例外」の範囲外で使う場合(例えばインターネットに動画をアップするなど)は、厳重な注意が必要です。
世界共通の意思表示マーク「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」
さて、ここからが今日の「本丸」です!みなさんに絶対に覚えて帰ってほしい新しい言葉、それが「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)」です。
横文字が長くて「よくわからない…」と思ってしまうかもしれませんが、言葉を分解してみるとイメージが湧きやすくなりますよ。
- クリエイティブ(Creative):創造的な、作られたものを表す言葉
- コモンズ(Commons):個人や団体が独占・所有せず、みんなで共同的に使おうという意味合い
- ライセンス(License):権利や許可証といった意味
つまり、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは、「著作者が著作権を持ったまま、他者に対して『こういう条件なら自由に使っていいよ!』と利用を認める意思表示をするための、世界共通のルール」なのです。クリエイティブ・コモンズの頭文字「CC」を取って、「CCライセンス」や「CCマーク」と呼ばれています。日本だけでなく、世界中で使われている非常に便利なマークなんですよ。
なぜCCライセンスが必要なの?
そもそも、どうしてこのようなマークが存在するのでしょうか?
私たちの身の回りにある便利なものや文化は、昔の先人たちの経験や発明品を、後の人たちが利用させてもらったり、少し形を変えたりして、どんどん発展してきたいわゆる「積み重ね」の歴史があります。
もし、すべての著作物が「絶対に誰にも使わせない!」とガチガチに制限されていたら、文化の発展は止まってしまいますよね。そこで、「私が作ったこの作品は著作物だけど、みんなが喜んでくれるなら、この範囲までは自由に使っていいよ!」とか「自由に使っていいけど、これでお金儲けをするのはやめてね」といったように、作った側(創作者)があらかじめ自分の意思を発信しておくための仕組みが必要になりました。これが、CCライセンスが生まれた背景です。
4つのマークの意味を完璧にマスターしよう!
CCライセンスには、主に4つの種類のマーク(条件)が用意されています。それぞれのアルファベットと意味、そしてマークの形をセットで覚えていきましょう。
1. BY(表示:アトリビューション)
BYは「表示」を表し、「何々に帰属する」といった意味を持っています。人の形をしたマークが特徴です。
これは、「この著作物を使う時は、絶対に私の名前(著作者情報)を表記してくださいね」という必須条件を表しています。おきぺん先生風に言えば「俺の名前を絶対に載せろよ!」という意思表示ですね。CCライセンスを利用する際の最も基本的な条件となります。
2. NC(非営利:ノン・コマーシャル)
NCは「非営利」を表します。英語の「ノン・コマーシャル」の頭文字ですね。コマーシャルは「営利的な」「お金を稼ぐ」という意味で、それを「ノン(否定)」するので「お金を稼がない」という意味になります。
斜線が入ったお金のマークが使われており、「営利目的での利用を禁止する」という条件です。つまり、「この作品を使ってお金稼ぎ(荒稼ぎ)をしないでね」という注意書きになります。
3. ND(改変禁止:ノー・デリバティブ・ワークス)
NDは「改変禁止」を表します。デリバティブとは「派生する」という意味で、作品を少し変えたりアレンジしたりすることを指します。それを「ノー」とするわけです。
イコール(=)のマークが使われており、「作品の変更やアレンジを禁じる。元の形のままで使ってね」という条件です。「俺が作ったものを絶対に勝手に変えちゃダメだぞ!そのまま使え!」という強い意思表示ですね。
4. SA(継承:シェア・アライク)
SAは「継承」を表します。「アライク」とは「同じように」「似たように」という意味があります。リサイクルマークのような、矢印がぐるっと回っているサイクルマークが目印です。
これは、「作品を改変(アレンジ)してもいいけど、新しくできた作品にも、元々の作品と全く同じライセンス(利用条件)を付けてね」という条件です。もしこの条件がないと、誰かが元の作品を少しだけアレンジして「これは全部自分が作ったものだ!誰にも使わせない!」と独占してしまうかもしれませんよね。そういったズルを防ぎ、元の著作者が損をしないようにするためのルールです。
要注意!組み合わせてはいけないマークとは?
ここまで4つのマークを紹介しましたが、鋭い人は一つ疑問に思ったかもしれません。「あれ?矛盾しているマークがない?」と。
その通りです!実は、ND(改変禁止)とSA(継承)は、同時に組み合わせることができません。
考えてみてください。NDは「絶対に作品を変えるな!」と言っているのに対し、SAは「作品を変えてもいいけど、同じライセンスを引き継いでね」と言っています。「変えてもいいの?ダメなの?どっちやねん!」とパニックになってしまいますよね。意味がわからなくなってしまうため、この2つのマークは同時に設定できないというルールが敷かれています。テストなどでも引っ掛け問題として出やすいので、しっかりと覚えておきましょう!
本日のまとめ:ルールを守って気持ちよく情報を使い回そう
みなさん、今日もお疲れ様でした!情報Ⅰの「情報の利用と公開」について、しっかりと理解できましたか?最後に今日の重要なポイントを振り返っておきましょう。
- 私たちは情報の「消費者(使う側)」であると同時に、「創作者(作る側)」でもあります。
- 学校の授業での利用など、教育目的であれば著作物の無断利用は例外として認められますが、インターネット配信や営利目的など、その範囲を超える場合は絶対に許諾が必要です。
- 保護期間が終了した著作物は「パブリックドメイン」となり、自由に利用できます。
- 「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)」は、著作者が他者に対して利用条件を意思表示するための世界共通の仕組みです。
- CCライセンスには「BY(表示)」「NC(非営利)」「ND(改変禁止)」「SA(継承)」の4種類があり、BYを基本に用途に合わせて組み合わせます。ただし、NDとSAは同時に設定できません。
今回は、著作物を使う側ではなく、「作る側」がしっかりと意思表示をして、みんなで気持ちよく作品を使い回せるようにするためのルールについて学びました。新しい横文字がたくさん出てきて、暗記するのは大変かもしれませんが、それぞれのマークが「なぜ作られたのか」「どんな目的があるのか」という背景をセットでイメージすると、スッと頭に入ってくるはずです。
ぜひ、この記事や動画を見返して、しっかりと復習しておいてくださいね。次回はまた少し話が変わって、「個人情報」について学んでいきます。情報社会を生き抜くために必須の知識ばかりですので、引き続き一緒に頑張っていきましょう!
君ならできます。頑張って!


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