はい、どうもこんにちは!おきぺんです。私は元中学校の技術科教員で、今は高校の情報の教員免許を活かしてYouTubeチャンネル「ギリギリ技術」を運営しています。皆さんはSNSに友達との写真をアップしたこと、ありますよね?でも実はそれ、ちょっと間違えると大きなトラブルになるかもしれません…。今回は高校情報Ⅰの第1章「情報社会と私たち」から、「個人情報の保護と管理」について一緒に学んでいきましょう!
そもそも「個人情報」って何だろう?
個人情報=「あなた」を特定できる情報
皆さん、「個人情報」と聞かれて、どのようなものをイメージしますか?「名前」や「住所」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。実は、世の中にはこの個人情報という言葉があふれていますが、どこからが個人情報で、どこまでがそうではないのか、その定義をしっかり理解しておくことがとても重要です。
まず、個人情報の大前提となる定義をお伝えしますね。個人情報とは、「生存する個人に関する情報」であって、氏名や生年月日などによって「特定の個人を識別できるもの」を指します。
ポイントは「生きている人」に関する情報だということです。例えば、私であれば「沖塚司さ」という名前や、「1994年生まれ」といった情報ですね。これらを聞いただけで、「あ、おきぺん先生のことだ!」と私という人間が特定されますよね。このように、その情報だけで誰のことかわかるものが、基本的な個人情報となります。
「情報の組み合わせ」が持つ怖さ
そして、ここからが現代のSNS社会において皆さんに一番気をつけてほしいポイントです。個人情報には、「他の情報と組み合わせることで容易に個人を識別できるもの」も含まれるんです。
例えば、あなたがSNSの別々のアカウントで、次のような情報を発信していたとします。
・「今日は〇〇駅前のカフェに来たよ!」
・「明日は〇〇高校の文化祭でダンス発表!」
・「17歳の誕生日ケーキ、最高!」
これらの一つ一つの情報(断片的な情報)は、それだけではあなたのことを完全に特定できないかもしれません。しかし、これらのピースを組み合わせるとどうなるでしょうか。「〇〇駅周辺に住んでいる」「〇〇高校に通っている」「17歳の生徒」ということがバッチリと特定されてしまいますよね。
つまり、写真の一部や何気ないつぶやきであっても、それらを組み合わせることで「ここにいるあなただ!」と特定されてしまうリスクがあるということです。これが、個人情報の本当に怖いところなんです。
個人情報を守る法律「個人情報保護法」
個人情報保護法とは?
私たちが安心して生活できるように、個人情報の取り扱いについてはしっかりとした法律のルールが定められています。それが「個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)」です。
この法律は、個人の権利や利益を保護することを目的としていて、個人情報を集めて利用する企業(事業者)に対して、「個人情報の取り扱いには十分に気をつけてね!」という義務やルールを定めたものになります。
企業は、サービスを提供するために皆さんからたくさんの情報(顧客情報や会員情報などのビッグデータ)を集めています。だからこそ、そのデータを慎重に扱ってもらうための決まりが絶対に必要なのです。
ルール1:利用目的以外の利用はNG!
個人情報保護法の具体的なルールを2つ紹介しますね。1つ目は、「利用目的以外の個人情報の利用はNG」ということです。
皆さんがネットショッピングを利用したり、アプリに会員登録したりする時、「この情報は商品の発送やサービスの向上に使います」といった説明(利用規約)に同意しているはずです。企業は、そこで約束した目的以外のために皆さんの情報を使ってはいけません。例えば、通販サイトに登録した住所を、全く関係のない別のダイレクトメールを送るために勝手に使うことは禁止されているのです。
ルール2:必要範囲外の第三者への提供はNG!
2つ目は、「必要範囲外の第三者への提供はNG」ということです。
例えば、ある企業が皆さんの情報をたくさん集めたとします。その企業が「この顧客データ、すごく価値があるから別の企業に高く売ろう!」とか、「知り合いの会社にこの情報を渡してあげよう」といったことを勝手に行うのは絶対にダメです。
ニュースなどで、「企業のセキュリティが破られて顧客情報が漏洩(ろうえい)した」という事件を見たことがありませんか? 一度流出してしまった個人情報は、悪用される危険性が非常に高くなります。だからこそ、企業も私たち自身も、個人情報というものは極めて慎重に扱わなければならないのです。
覚えておこう!個人情報の「3つの種類」
一口に個人情報と言っても、実はその内容によって「取り扱いの重み(重要度)」が異なります。高校の情報の授業では、大きく3つの種類に分けて学びますので、しっかりと整理しておきましょう。
1. 基本4情報
1つ目は「基本4情報」です。これは、個人情報の最もベースとなる基本的な4つの項目のことを指します。
- 氏名(名前)
- 住所
- 生年月日
- 性別
アプリの会員登録や、市役所・区役所での手続き(住民票をもらう時など)で、必ずと言っていいほど書いた記憶があるのではないでしょうか。私たちという個人を特定するための、一番基礎的な本人確認のポイントとなる情報です。
2. 個人識別符号
2つ目は「個人識別符号」です。これは、そのデータだけでピンポイントに個人を識別できる強力な情報です。
具体的には2つのパターンがあります。
一つは、指紋データや顔認証データといった「身体的な特徴」です。スマートフォンのロック解除で毎日使っている人も多いですよね。
もう一つは、マイナンバー(個人番号)、運転免許証の番号、パスポートの番号といった「公的な番号」です。これらは国や機関から一人ひとりに割り振られたユニークな(世界に一つだけの)番号なので、これだけで個人が特定されてしまいます(場合によっては学生番号などもこれに当たることがあります)。
3. 要配慮個人情報
3つ目は「要配慮個人情報(ようはいりょこじんじょうほう)」です。文字通り、「取り扱う際に特別な配慮が必要な個人情報」のことです。
具体的には、次のようなデリケートな情報が含まれます。
- 人種や信条
- 政治や宗教の信仰
- 病歴(どんな病気にかかったことがあるか)
- 犯罪の経歴
なぜこれらの情報に特別な配慮が必要なのでしょうか?それは、これらの情報が周囲にオープンになってしまうと、不当な差別や偏見につながってしまう危険性があるからです。「この人はこういう人種だから」「過去にこういう病気だったから」といった理由で差別されるようなことは、絶対にあってはなりません。だからこそ、他の個人情報以上に、流出しないように細心の注意を払って守らなければならないのです。
これら「基本4情報」「個人識別符号」「要配慮個人情報」は、どれもすべて大切な個人情報です。それぞれの違いをしっかり理解しておきましょう。
プライバシーと肖像権・パブリシティ権を理解しよう
さて、ここからは少し視点を変えて、皆さんの日常生活やSNSの利用に直結する「権利」のお話をします。ここを間違えると、友達関係が壊れたり、法律違反になったりするので要注意です!
プライバシー(プライバシーの権利)
よく「プライバシーの侵害だ!」なんて言葉を聞きますが、プライバシーとは一体何でしょうか?
それは、「自分の情報をむやみに公開されたり、他人に干渉されたりしない、個人の私生活の自由」のことです。
私たちは学校に行ったり仕事をしたりと社会の中で生きていますが、家に帰れば「プライベートな時間」がありますよね。家の中でどんな服を着て、どんな風にゴロゴロしているか…そういった私生活の部分は、誰にも邪魔されたくないはずです。
テレビのバラエティ番組で、芸人さんの私生活を隠し撮りする「ドッキリ企画」を見たことがあると思います。あれを見ると「プライバシーの侵害じゃないの?」と思うかもしれませんが、実はあれは、事前に事務所同士で確認をとったり、後で本人の同意をしっかりと得たりした上で放送されています。一般の私たちが、他人の私生活を勝手に覗き見たり公開したりすることは絶対に許されません。
肖像権(友達の写真をSNSに上げる時は要注意!)
次に「肖像権(しょうぞうけん)」です。これは、「本人の許可なしに、自分の顔や姿(肖像)を撮影されたり、公開されたりしない権利」です。
ここで皆さんに強く意識してほしいことがあります。友達と一緒に遊びに行って、ノリで写真をたくさん撮りますよね。そして、その写真を「楽しかった〜!」とInstagramやTikTokに無断でアップしていませんか?
実はこれ、基本的にはNGなんです! 友達の顔が写っている写真を公開するには、前提として本人の承諾(許可)が必要です。
もし、友達が「なんで勝手に載せたの!?」と怒って訴えられたら、無断で載せた側が悪いことになってしまいます。人によっては「SNSに顔出しするのは絶対に嫌だ」という人もたくさんいます。「自分は顔出しOKだから、友達もOKだろう」と自分中心に考えるのはやめましょう。
写真をアップする前に、「これ、SNSに載せてもいい?」と必ず確認すること。もし顔出しがNGだと言われたら、その人が写っていない写真を選ぶか、顔がわからないようにスタンプなどでしっかり加工をしてあげるのが、人間関係における大切な「配慮」です。常に「相手の立場」を前提に行動してくださいね。
パブリシティ権(有名人の写真や名前の価値)
最後に「パブリシティ権」という権利を紹介します。肖像権と少し似ていますが、これは「有名人(芸能人、アーティスト、スポーツ選手など)」が持つ特別な権利です。
有名人には、「その人が商品を紹介すれば飛ぶように売れる!」というような、ものすごい宣伝効果(顧客を引きつける経済的な価値)がありますよね。自分が好きなアイドルが「このジュース美味しいよ!」と言っていたら、ついつい買いたくなってしまうものです。
パブリシティ権とは、このような有名人が持つ「商品販売などの促進力」を、他人に勝手に使われない権利のことです。企業が「この芸能人の写真を商品のパッケージに勝手に使って、たくさん売っちゃおう!」と企んでも、それはパブリシティ権の侵害となり法律違反です。世の中のCMや広告は、すべてしっかりと契約を結び、お金を払った上で成り立っている仕組みだということを知っておきましょう。
まとめ:立ち止まって考える習慣をつけよう
お疲れ様でした!今回は、「個人情報の保護と管理」について詳しく学んできましたね。最後に大切なポイントを振り返りましょう。
- 個人情報とは、氏名や生年月日など個人を特定できる情報のこと。断片的な情報の組み合わせでも特定されるリスクがある。
- 個人情報には、ベースとなる「基本4情報」、指紋やマイナンバーなどの「個人識別符号」、差別や偏見を防ぐために配慮が必要な「要配慮個人情報」の3種類がある。
- 私生活を守る「プライバシー」、無断で顔写真を撮られたり公開されたりしない「肖像権」、有名人の宣伝力を守る「パブリシティ権」という重要な権利がある。
悪気がなくても、他人の情報を勝手にSNSにあげてしまうと、権利の侵害になり大きなトラブルに発展してしまいます。「自分が楽しければいい」ではなく、法律のルールと、人としてのモラル(思いやり)の両方を守ることが大切です。
皆さんがこれからスマートフォンで写真を撮ったり、SNSに何かを投稿したりする時は、送信ボタンを押す前に一旦立ち止まって、「この写真には位置情報が入っていないかな?」「友達の顔は写っていないかな?許可はとったかな?」と確認する習慣をぜひ身につけてくださいね。
君ならできます。頑張って!


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