【中学技術】さまざまな木材[材料と加工の技術]

A 材料と加工の技術

はいどうもこんにちは!皆さん、お元気ですか? 元中学校教員で、オンライン家庭教師、そしてYouTubeで皆さんのお手伝いをさせていただいているおきぺん(沖廣)です!

さて、今日からいよいよ「材料と加工の技術」という、ものづくりに関わる大切な分野の学習が始まりましたね!「材料と加工」と聞くと、難しそうだな…と感じる生徒さんもいるかもしれませんが、大丈夫!実は私たちの身の回りには、この「材料と加工」の技術がぎゅっと詰まったものがあふれているんです。

今回のブログは、こちらのYouTube動画の内容を元にしています。ぜひ動画と合わせてチェックしてみてくださいね!

 

包丁やフライパンのような金属製品、ペットボトルや文房具のプラスチック製品、そして、今回学ぶ「木材」を使った家具や建物など、挙げればきりがありません。この授業では、色々な「材料」がどんな性質を持っているのかを知って、それをどう「加工」すれば、私たちの生活を豊かにする「製品」になるのかを、皆さんと一緒に考えていきます。

そして、記念すべき初回は、私たちにとって一番身近な材料かもしれませんね、そう、「木材」です!今回の学習は、これから皆さんが自分で何かを作ったり、身の回りのものを見つめ直したりする時の、大切な「土台」になります。一緒に、木材の世界を探検してみましょう!

木材ってまるで生き物みたい?「水分」との不思議な関係!

まず最初に学んだのは、木材の基本的な性質、特に「水分」との関係でした。皆さん、木材って水分を含むとどうなりますか? そして、水分がなくなると?

これはまるで生き物みたいなんですが、

  • 木材は水分を含むと膨張します。
  • 逆に、水分が抜けて乾燥すると収縮します。

湿度の高い日には少し膨らんで、空気が乾燥すると縮みます。この水分のやりとりで、私たちが普段見ている木の板が、時には反ってしまったりするんですね。おもしろいですよね! この性質を知っていると、古い木造の建物を見たときや、木製の家具を触ったときに、「あ、今、水分で膨らんでいるのかな? 縮んでいるのかな?」なんて、ちょっとだけ科学者になった気分になれるかもしれませんよ! ものづくりの現場では、この性質を理解して材料を扱ったり、対策をしたりすることがとても大切になるんです。

木材には大きく分けて2種類あります!その秘密は「葉っぱ」!?

次に、木材の種類を大きく2つに分類できることを学びました。それが「針葉樹材(しんようじゅざい)」「広葉樹材(こうようじゅざい)」です。名前だけ聞くと難しそうですが、実は「葉っぱ」の形を見るとイメージしやすいんです。針葉樹は皆さんがよく知っているスギやマツのように針のような細い葉っぱ、広葉樹はモミジやサクラのように平たい葉っぱを持っています。

そして、この葉っぱの違いだけでなく、木材としてもそれぞれ全然違う特徴を持っているんです。見てください、この表を!

分類 葉っぱの形 特徴 主な用途 代表的な木材
針葉樹材 針のように細い 加工がしやすい(切る、くっつけるなど) 建築材 杉、ひのき、赤松など
広葉樹材 平たい 加工がしにくい、変形しにくい(比較的) 家具材 ブナ、欅(けやき)、ナラなど

どうですか? 針葉樹材は加工しやすいから、家を建てるときの柱や梁(はり)といった「建築材」として大活躍しているんですね。皆さんの学校の体育館の柱も、もしかしたら針葉樹材かもしれませんよ。特にスギは日本の森にたくさんあります。

一方、広葉樹材はちょっと硬くて加工しにくい性質がありますが、その分、一度作ったものが変形しにくいという強みがあります。だから、長く大切に使いたいタンスや机などの「家具材」によく使われるんです。丈夫な机で勉強できるのも、広葉樹材のおかげかもしれませんね。

なぜ加工のしやすさが違うのかな? と疑問に思った生徒さんもいるかもしれませんね。実はこれには木の「密度」が関係しているのですが、このあたりはまた次のステップで詳しく学ぶ機会があると思います。楽しみにしていてください!

丸太の断面を見てみよう!「心材」と「辺材」って何?

さて、木が私たちの手元に届く前、山で伐採されたばかりの時は「丸太(まるた)」の状態です。この丸太をスパッと真ん中で切ってみた断面にも、大切な名前が付いている部分があるんです。

皆さん、丸太の断面に現れる「年輪(ねんりん)」は見たことがありますか? その年輪の中心に近い部分と、その周りの部分で、色や性質が違うことに気づいた人はいますか?

名称 位置 色・密度 特徴
心材 中心部分 色が濃い、密度が大きい 腐りにくい、変形しにくい(比較的)
辺材 周辺部分 色が薄い、適度に空気を含む 変形しやすい、加工しやすい(比較的)

中心の、色が濃くてぎゅっと詰まった部分を「心材(しんざい)」と言います。ここは腐りにくく、変形も比較的少ない、木の一番強い部分なのですね。そしてその周りの、少し色が薄くて空気を含んでいる部分を「辺材(へんざい)」と言います。辺材は変形しやすい面もありますが、心材よりも加工がしやすいという特徴があります。

将来、皆さんが木材を使って何かを作る時に、「この部分は強度が必要だから心材を使おうかな」「ここは加工しやすい方がいいから辺材にしよう」なんて考えられるようになるかもしれませんね。実習で木材の端材などを見ることがあったら、ぜひこの心材と辺材の違いを探してみてください!

板材の「端っこ」にも名前がある!「小口」と「木端」!

丸太から切り出された板材。この板材の「端っこ」にも、技術の授業で使う大切な名前が付いています。これを覚えておくと、先生の説明がもっとよく分かりますよ!

  • 小口(こぐち): 板材を、木の繊維の方向に対して垂直に切った「断面」のこと。
  • 木端(こば): 板材を、木の繊維の方向に沿って切った、板の「厚みが出ている方の端っこ」のこと。

小口は、板材の「顔」が見える部分、木端は「横顔」といったイメージでしょうか。実習で「小口を測ってみよう」「木端をきれいに削ろう」といった指示が出ることがあります。この名前を知っているかいないかで、作業の理解度がグッと変わってきますよ! ぜひ覚えて活用してくださいね。

板材の種類で「変形のしやすさ」が変わる!?「柾目材」と「板目材」って何?

最後に、板材の「見た目」による分類についても学びました。皆さんも木製のテーブルや床などを見たときに、板によって模様が違うな、と感じたことはありませんか? それは、板材の取り出し方によって、「年輪」の現れ方が変わるからなんです。

名称 年輪の見た目
柾目材(まさめざい) 年輪が板の面にまっすぐ平行に通っているように見える
板目材(いためざい) 年輪が板の面に波打っているような、山型やお椀型に見える

年輪がまっすぐ! シンプルな模様の「柾目材(まさめざい)」。そして、年輪が波打っていて、木の温かみを感じやすい「板目材(いためざい)」。この見た目の違いだけでなく、なんとこの2種類の板材では、「変形のしやすさ」にも違いがあるんです!

これは、丸太から板を切り出す向きによって、木の細胞の並び方が変わることで起こる現象です。このあたりの詳しい仕組みは、また今後の授業で学ぶことになりますが、「板材の種類を選ぶことで、その後の変形の仕方が変わるんだ!」ということを知っておくと、ものづくりへの興味がさらに深まるのではないでしょうか?

初回は新しい言葉がたくさん!でも大丈夫、これから一緒にマスターしよう!

今回の授業では、本当にたくさんの新しい言葉が出てきましたね。「針葉樹材、広葉樹材、心材、辺材、小口、木端、柾目材、板目材…」。覚えるのが大変だな…と感じている生徒さんもいるかもしれません。

でも、安心してください! これらの言葉は、これから皆さんが「材料と加工の技術」を学んで、実際に木材を使ってものを作る上で、必ず出てくる基本的な言葉ばかりです。実習で実際に木材に触れながら、これらの名前や特徴を体で覚えていくと、だんだん身についてきますよ。

今回の学習は、まさに「ものづくりの世界の入り口」です。ここで学んだ木材の性質や名称を知っているからこそ、次に「のこぎりで切ってみよう」「釘を打ってみよう」となったときに、「あ、この部分の名前はこれだな」「この性質があるから、こう加工した方がいいのかな」と、自分で考えて作業を進めることができるようになります。

技術の授業は、知識を覚えるだけでなく、頭と体を動かして、自分の手でものを生み出す楽しさを体験できる素晴らしい時間です。今回学んだ木材の知識を土台にして、これからの実習や学習に、ぜひワクワクした気持ちで取り組んでみてください!

僕は、皆さんがものづくりを通して、新しい発見をしたり、工夫する力を身につけたり、作品が完成した時の達成感を味わったりするのを、心から応援しています!

君ならできます。頑張って!

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